EMS事業者は、顧客企業からの製品設計データを受け取り、部品の調達、製造ラインの設立、組み立て、検査、出荷までの一連の製造プロセスを請け負います。顧客企業は製品の設計や販売・マーケティングに専念できます。
EMSの主な特徴は以下の通りです。
■製造ラインや人員を顧客企業に代わって用意する
顧客企業は自社で製造ラインを構築したり、製造従業員を雇う必要がなくなります。EMS企業が一括して製造体制を整え、人的リソースを提供してくれます。
■世界的な生産拠点ネットワークを持つ
EMSメーカーは最適地生産が実現でき、グローバル企業のニーズに的確に応えられます。顧客企業はサプライチェーンの最適化が図れ、製品の競争力を高められます。
■大量生産から小ロット生産まで柔軟に対応できる
大規模な設備投資は顧客企業ではなくEMS事業者が行うため、顧客は生産量の変動に合わせて製造を委託できるメリットがあります。製品ライフサイクルに合わせて、立ち上げ期は小ロット、本格生産期は大量生産、終息期は再び小ロットなど、一貫した製造受託が可能です。
■部品調達から最終製品の出荷まで一括受託が可能
上流の部品調達から下流の出荷まですべてをEMSが一括して請け負うことで、顧客企業は製造工程の手間とコストを大幅に削減できます。
■顧客製品の製造コスト削減を図れる
顧客企業が自社で製造ラインを構築する場合に必要な多額の初期コストを避けることができ、変動費のみを支払えばよいため、固定費の削減が可能です。
近年では、EMS事業者による製造受託が電子機器業界で一般化しています。
顧客企業は製造拠点の設備投資が不要となり、コスト削減と生産の柔軟性を得られるメリットがあります。