世界的な環境意識の高まりとともに、企業のSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みが加速しています。しかし、大規模なプロジェクトだけがSDGsへの貢献ではありません。実は、日常的な機器のメンテナンスこそが、環境保護と持続可能な社会の実現に大きく貢献しているのです。株式会社藤田電機製作所では、レシートプリンターの修理やメンテナンスを通じて、製品の長寿命化による廃棄物削減(目標12)や、適切な保守による省エネルギー(目標13)を実現してきました。本記事では、一見地味に見えるレシートプリンターのメンテナンスが、いかにSDGsの達成に貢献しているのかを解説します。
■ SDGsの重要性とビジネスでの取り組み
近年、世界中の多くの企業が持続可能な開発目標(SDGs)を自社の経営戦略に積極的に取り入れており、環境負荷の低減や社会課題の解決に向けた具体的な取り組みを行っています。再生可能エネルギーの導入や廃棄物削減による環境への配慮、または地域社会との連携強化による地域格差の解消など、単なる利益追求だけでなく、地球環境や社会の持続可能性に貢献することを経営の重要な柱と位置付け、CSR活動や社会貢献プロジェクトを展開しています。
■ そもそもSDGsとは?
SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略で、日本語では持続可能な開発目標と訳されます。2030年に向けて世界が一丸となって目指す17の具体的な目標を定めた国際的な取り組みです。この取り組みは、現代社会が直面する貧困、不平等、環境問題などの課題を解決し、より良い未来を築くことを目指しています。
SDGsの特徴は、「経済」「社会」「環境」という3つの側面から総合的にアプローチすることです。これらは互いに密接に関連し、バランスの取れた発展を目指しています。
「経済の側面」では、すべての人に働きがいのある仕事を提供し(目標8)、技術革新を通じた持続可能な産業基盤の構築(目標9)を目指しています。これは単なる経済成長ではなく、質の高い、持続可能な発展を重視しています。
「社会の側面」は最も多くの目標を含み、貧困の撲滅(目標1)から、飢餓の解消(目標2)、健康と福祉の実現(目標3)、教育の機会均等(目標4)まで、幅広い課題に取り組んでいます。また、ジェンダー平等(目標5)や国内外の不平等の解消(目標10)、持続可能な都市づくり(目標11)、平和で公正な社会の実現(目標16)も重要な目標として掲げられています。
「環境の側面」では、水資源の保護(目標6)、クリーンエネルギーの普及(目標7)、責任ある生産と消費(目標12)、気候変動対策(目標13)、海洋資源の保全(目標14)、陸上生態系の保護(目標15)など、地球環境の持続可能性を確保するための目標が設定されています。
SDGsの特徴的な点は、これらの目標が相互に関連し合い、支え合っていることです。例えば、気候変動対策(目標13)は、持続可能な都市づくり(目標11)や責任ある生産・消費(目標12)と密接に結びついています。このような包括的な目標の達成には、政府や企業だけでなく、私たち一人ひとりの参加が不可欠です。日常生活での環境への配慮、エシカル消費の実践、地域社会への参加など、できることから始めることで、誰もがSDGsに貢献できます。
■ レシートプリンターメンテナンスとSDGsの関連
SDGsという言葉が誕生する以前に株式会社藤田電機製作所では近いことに取り組んでおりました。それは、”レシートプリンターの修理やインク交換”です。
レシートプリンターとは、小売店や飲食店などで、販売時点管理システム(POSシステム)と連携し、商品やサービスの購入明細を印刷する機器です。主にサーマル方式を採用しており、感熱紙に高速でレシートを印刷できます。株式会社藤田電機製作所では受注を受けて、月に数百台のレシートプリンターをメンテナンスしておりました。インク漏れの修理やインクの交換を行うことで、使い捨てを減らし、プリンターの寿命を延ばすことができます。これは、資源の無駄遣いを抑え、製品のライフサイクル全体にわたって環境負荷を軽減することに貢献しています。これは「目標12」です。
機器を適切にメンテナンスすることで、製造時や廃棄時の環境負荷を減らし、気候変動対策にもつながります。インク漏れを防ぐことは、廃棄物を減らし、企業のカーボンフットプリントを下げることに寄与します。気候変動の緩和は「目標13」になります。
■ インク漏れ修理の重要性と具体的な対応
インク漏れ修理の重要性は、環境負荷とコストの両面で企業に大きな影響を与えるため、定期的な点検と適切なメンテナンスが欠かせません。具体的な対応として、プリントヘッドのクリーニング、インクチューブの接続部分の点検と締め直し、パッキン類の劣化確認と交換時期の管理、さらにはインク残量の適切な管理とタイミング良い補充が重要です。これらの対応を徹底することで、無駄なインクの使用を減らし、環境負荷を軽減できるだけでなく、清掃作業の削減による労力やコストの節約も期待できます。また、機器の突発的な故障リスクを抑え、印字品質が安定することで業務効率も向上します。
■ 定期メンテナンスによる機器の長寿命化
定期メンテナンスを計画的に実施することで、機器の寿命を延ばし、廃棄物削減にも貢献できます。主なメンテナンス内容としては、プリンター内部の清掃、動作部品への潤滑油補充、消耗部品の計画的な交換、センサー類の清掃と調整、用紙経路のクリーニングなどが含まれます。これにより、機器が安定して稼働し、業務効率が向上するだけでなく、突発的な故障を防ぎ、修理費用も削減できます。また、適切なメンテナンスは省エネルギーにも大きく貢献します。機器の動作効率が向上し、電力消費が最適化されるほか、待機電力の削減設定を維持することで無駄なエネルギー消費が抑えられます。さらに、不要な印刷やテスト印刷の削減、効率的な稼働時間の管理により、環境負荷が軽減されます。
■ まとめ
企業がSDGsへの貢献を考える際には、大規模な取り組みだけでなく、日常的な機器のメンテナンスや修理にも注目することが重要です。弊社の取り組みは、地球環境の保全や社会の持続可能性に向けた一歩として、その価値を確かなものとして示しています。企業が環境に配慮した行動を積極的に取り入れることで、より良い未来に貢献していくことができるでしょう。EMSに関するご相談は遠慮なく「お問い合わせフォーム」より、よろしくお願いします。